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弁柄の壁とシラスの壁

2020.06.18萌蘖(鹿児島)

こんにちは。
今回は萌蘖(ほうげつ)の更新です。
既に竣工して1年ほど経過している萌蘖ですが、ゲストハウスとしてお施主様が運営していますので、一般の方でも萌蘖の空間をゆったりと感じて頂くことができます。
ご興味のある方はHPをご覧ください。
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さて、前回の更新では瓦屋根についてどのような取り組みを行ってきたかお伝えしました。
今回は壁についてお伝えしようと思います。
萌蘖の特徴の一つと言えるのは和室の弁柄色の壁です。実はこの色、薩摩藩島津家のお屋敷に使われている色を参考にしています。
弁柄と言えば沖縄の首里城の柱などに塗られています。
薩摩藩は琉球国との交易が盛んだったためか、薩摩の武家屋敷でも弁柄色の壁がよく見られます。
今回は本物の弁柄を使うことができませんでしたが、島津家のお屋敷「仙巌園」に行って、左官サンプルや日塗工と本物の弁柄を比べながら色を合わせました。
最終いくつかの候補にしぼってサンプルをつくり、現場にて決定しています。左官材はフジワラ化学さんにお願いしました。
落ち着きのある和の空間に馴染む色に仕上がりました。





外壁は「高千穂シラス」を使っています。
約29,000年前に鹿児島錦江湾にあった火山が大噴火して火砕流がおき、その火砕流が堆積してできた台地をシラス台地というのですが、
そのシラスを原料としている左官材です。
今回は外壁につかっていますが、内壁に使うときは調湿性や消臭効果を発揮してくれます。

鹿児島の文化をひとつのテーマとして設計してきたこともあり、使えるところは地のものを使うということを意識しました。

また次回の更新をお楽しみに。


スタッフ 渡邉