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H邸(兵庫) 外部・内部仕上げ

2021.12.04H邸(兵庫)

今回は外壁に杉皮(粗皮)を採用しました。
杉の皮を押縁で押さえるだけと軽く考えておりましたが、
杉皮はデリケートな自然素材、丁寧な下処理・杉皮の状態を見ながら段階を分けて貼っていくなど、数々の工程が必要でした。
紆余曲折ありましたが、とてもきれいに仕上がりました。
この施工を行ったのはちょうど1年前頃。
今年と同様にとても寒い冬で、じっと外で立っているのもつらい状況の中、とても丁寧に作業を進めていただきました。
基礎の立ち上がりはコンクリートビシャン仕上げ。
先が3㎝角ほどの小さい工具で表面を叩いていきます。
膝をついたままのつらい体勢での作業ですが、「職人の手が変わると仕上がりが変わってしまう。」と配慮いただき、一人の職人さんの手で全面仕上げてもらいました。
光が差し込むと陰影がとてもきれいです。
内部居間仕上げは、床が生野丹波石張り、壁が杉皮(削皮)張りです。
外部のような空間に仕上げたかったので、外壁と同素材を内壁仕上げに選びました。

床はいつも諏訪鉄平を選定することが多いですが、今回は周りの森に負けないように少し粗い石を選定しました。
目地は少し深めにしました。
光が差し込むととてもきれいです。
食堂への階段は、設計当初は栗材で制作予定でしたが、
手ごろな石があったので、床と同じ生野丹波石で組んでもらいました。
内部の杉皮は削皮です。
粗皮より少し上品に仕上がります。
居間以外の部屋は床は栗、壁は土壁を選定しました。
これらの素材の選定については、建主と何度も打ち合わせを重ねました。
大切にされている森にはじめて建てる建物。
森の風景を壊すことなく、居場所をつくるためにどのような素材が好ましいのかたくさん悩みましたが、ひとつひとつの素材が違和感なく納まり、ほっと胸をなでおろしました。
どんな仕上がりになったかは、
横内事務所HP「六甲の森の家」をご覧ください。
(ブログご報告が滞っておりごめんなさい。)
「日本の美邸8号」風土社 (12月2日発売)にも掲載されましたので、
ぜひご覧ください。


次回は家具工事と浴室工事をご報告します。

(増田)