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「建築の旅」11

2022.11.16建築の旅

こんにちは。

今回から北欧。まずデンマークからです。
デンマークは多くの家具作家を世に送り出していることで有名な国ですが、建築においてもすばらしい伝統を持っています。初めて訪れたのは1993年の春でした。
緯度の高いデンマークでは、長く暗い冬が終わり、春になるとみんな外に出て日光浴をします。ここはコペンハーゲン港のウォーターフロント。街並みがカラフルで楽しげです。


まずは各地の民家を集めた野外民族博物館を見に行きます。
タンポポが一面に咲いていてとてもきれいでした。


デンマークは昔から酪農が盛んで、住居と家畜小屋が一体化したものが多く見られました。壁は組積造ですが、草葺きの屋根は日本の民家とよく似ています。
インテリアはこんな感じ。窓から入る光が美しいですね。天井が低いのは、冬が寒いからでしょうか。


これは中庭を囲むプランの民家。台所の煙抜きから入る光が神々しいですね。右手の壁にあるのはオーブンでしょうか。石畳の床も素敵でした。


いろんな形があって面白いですね。
私は民家が大好きです。文化の違いを超えて人が生きるために必要な空間の本質がそこにあるからです。


これはデンマーク北部の海沿いの地域の半分土中に埋まった民家。
きっと風が強いのでしょう。気候風土と建築の形の関係がよくわかります。地熱を利用したり、屋根にも土を乗せて断熱するなど、とてもエコな建築ですね。
この野外博物館にはかつての暮らしも再現して見せてくれる民族衣装を着た人がいて、色々説明してくれたのですがデンマーク語だったので分かりませんでした。。。


そのインテリアのなんと素敵なこと!

囲炉裏の自在鉤は日本と全く同じでびっくりしました。時代を遡ると世界は一緒なんですね。右手のカーテンの奥に畳一枚分くらいの押し入れのようなベッドスペースがあります。ここは土の中なのでおそらく冬でも暖かいんでしょう。


これはもっと規模が大きいもの。


牛小屋がとても見事でした。


長い冬に家畜を入れておくための建物。
いかに最小限の素材で最大の空間を確保するか、そしてその空間をいかに美しい光で満たすか、それが建築の本質であることをこの素朴で寛容な建物から学ぶことができる気がします。
その他色々と。

では次回をお楽しみに。

(横内)