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「建築の旅」29

2023.03.09建築の旅

こんにちは。今回はヴェネツィアです。

ヴェニスは英語の呼び方で、イタリアではヴェネツィアといいます。イタリア半島の東の付け根に位置していて、海の中の干潟に作られた驚きの都市です。13〜15世紀に海洋軍事都市国家として栄えました。

例えば、東方見聞録で有名なマルコ・ポーロは14世紀のヴェネツィア共和国の商人でした。
まさに水に浮かぶ都市です。

建物や街路の下にはビッシリと松杭が打ち込まれ、その上に石灰岩で地盤をつくり建物は比較的軽量なレンガ造でつくられています。イタリアは地震が多い国ですが、地盤が軟弱なため地震力が伝わりにくく、繊細な建物でも壊れにくいのだそうです。
同じルネサンス期に栄えたフィレンツェとくらべて、街の感じが明るく軽快なのはそのような訳がありました。
都市の玄関口にはサン マルコ広場があります。
慢性的な地盤沈下と温暖化による水位の上昇で、大潮と低気圧が重なると水没してしまうことで最近は有名になってしまっています。

左手はドゥカーレ宮殿。ヴェネツィア共和国の行政庁でした。

正面はサン マルコ大聖堂。
11世紀に作られたビザンティン様式の建築です。右手は鐘楼。上に登ってみましょう。

上から見てもうっとりするほど美しいのがヴェネツィアですね。

水路が美しいのは言うまでもありません。
今でもゴンドラは現役です。
ちなみにゴンドラが黒いのは14世紀にイタリアでペストが大流行した時、大量の死者に対して喪に服す意味で黒く塗られるようになったとのことです。
水路にはこんな八百屋の出店もありました。40年前ですが。
地上の街路もまた魅力的です。
小さなお店が狭い道の両側に並んでいて、車に邪魔されることもなく、ウィンドウショッピングがこれほど楽しい街はありません。
次回はヴェネツィアの隣町ヴィチェンツァを訪れ、アンドレア パラディオの建築を見にいきましょう。

お楽しみに。

(横内)