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「建築の旅」40

2023.06.01建築の旅

こんにちは。今日は台湾です。

台湾を訪れたのは15年ほど前。私が勤める京都の大学に留学していた台湾の学生が夏休みに帰国するのに合わせてゼミの学生らと一緒に渡航し、色々と案内してもらいました。
まずは台北から西に50kmほどにある九份を訪れます。
急な山の斜面に展開する小さな街です。もとは鉱山で栄えていましたが、今は観光が中心のようです。

宮崎駿が千と千尋の神隠しのモデルにした街だということです。
これは街の入り口付近にある茶店の建物。急斜面に建っているので、室内からの眺めが最高でした。
街は斜面に直角な階段と斜面に沿った狭い街路で構成されていて、その間にぎっしりと建物が建っています。

そんな迷路のような街中に素敵なお店を見つけました。左手がその入り口。
古い民家を改築した九份茶房という中国茶の喫茶店です。

中に入るとインテリアはこんな感じ。
茶壷がところ狭しと並んでいます。

入り口付近は茶葉と茶器の売店となっていて、奥に喫茶スペースがあります。

売店と喫茶スペースの間には全面トップライトの明るい吹き抜けがあり、階段を数段下りると喫茶スペースに至ります。
そこには植栽があり、下を見ると...

なんと、鯉が泳ぐ池がありました。

下の階は美しい光りに満ちてました。

そしてその奥にはもう一つ吹き抜けがあり...

そこも池になっていて、茶臼を重ねてつくった滝があり、涼しげな水音が響いていました。

どうやらこれらの吹き抜けは、元は斜面に建つ家と家の間の外部だったらしく、3軒をつないで室内化するためにそこにガラス屋根を掛けたみたいなんですね。
だから家々のフロアレベルの違いや石垣など外部の素材がそのままインテリアになっていて、内と外が曖昧な面白い空間でした。水と緑の使い方や空間の密度感が日本と違い、とても新鮮でした。

最後に席に着いて何十種類ものお茶の中から選んで茶葉を注文。
解説された通り、炭火でお湯を沸かし、茶器を湯煎して温め、茶葉を湯通しして蒸らしてからお湯を注ぎ、美味しくいただきました。
日本の茶道とは違いましたが、ゆったりと流れる時間を過ごすことができ、中国の飲茶文化にも奥深いものがあると感じました。


次に台北の北にある温泉町、北投(べいとう)を訪れました。
これは温泉博物館。
日本統治時代に作られた温泉施設で、今は北投の歴史を伝える博物館になっています。
建物は当時のまま綺麗に保存されていました。これは温泉プールだった部屋。
クラシックなインテリアはとても素敵でした。


これは北投公園に面して建つ新しい図書館↓。
エコロジカルなコンセプトの、素敵な建物でした。


これまで様々な国を回って来ましたが、そろそろ旅も終わりに近づきました。

次回からは日本に帰って私が好きな場所と建築を訪れることにします。

ではお楽しみに。
(横内)