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T邸造園工事

2023.06.07T邸(京都市北区)

T邸の造園工事が始まりました。
T邸は敷地が広く、
建物の南面にたっぷりと奥行きのある空間にいかに造園を施すかは、
兼ねてより意気込んでいたところです。

今朝は全国各地から集まった庭木がずらり。



この木々をどの位置でどんなふうに見せるか、
庭木は枝ぶりが様々だし、庭を眺める視点もたくさんあります。

それらを造園するということは、ある意味建築設計よりも
複雑で立体的な思考が必要なのかもしれませんね。




造園指揮を執ってくれたのは庭師の伊庭さん。
横内の描いた造園図をもとに庭木を集め、植え込み作業を行ってくれました。
私たち横内事務所にとって庭は、建築と一体になって思想を体現するものなので、伊庭さんは、建築と庭の両方について深い理解を示してくれる有難い庭師さんです。


造園作業は一番機械化できない作業かもしれません。
だからこそ横内建築において非常に重要なポイントでもあります。
理想的な形に近づくまで人の手で何度も植え替えを行います。
その形はそれこそ、心の目で見ないとわからないくらい微妙なもののように思えます。
大きいものから小さいものまで、寄り添わせたり、離したり、
それぞれの関係を調整することで、ぼんやりと場所や空間が見えてきます。




さて、造園作業はほぼ完了しました。
皆さんにはどんなふうに見えますか?
横内曰く、庭木や石の配置を平面的にも立体的にも三角の形にすることでぼんやりと空間をつくり出しているそうです。

左右と奥のカエデ(白い幹)の木が、
中央の丸い飛び石のあたりに向かって
なんとなく三角錐の形をなしているようにも見えます。
そのさらに奥には、この家が建つ前からあった大きな庭石が鎮座しています。





説明はほどほどに、あとは芽吹きを待つことにしたいと思います。





秋吉