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博多の家 約3年振りに訪問

2023.06.17 2018 博多の家(福岡)

6月最初の土曜日、博多の家(T様邸)を3年ぶりに訪れました。初めて訪れるスタッフと外観見学をしていると、右手の方になにやら気配を感じました。


板塀に切った覗き穴に白い影。


2代目ジャックラッセルテリアのショーティー君!!


1代目オーパス君の為に開けた覗き穴を使ってくれています。やっと会えました!!感激の初対面。


木造躯体とRCパラペットの間のスリットを偵察穴として有効活用してくれています。異なる構造が取り合う為のエキスパンションなのですが、彼の為に設計したみたいですね。落ちないけど、覗ける。いい感じです。


2才の元気な男の子。とってもきれいな顔をしています。T様のお母様にも久しぶりにお会いできました。今は梅仕事の真っ最中とのこと。きれいな梅が瓶に漬かっていましたよ。お母様はとても手先が器用でいらっしゃるので、手仕事はなんでもこなしてしまえるのです。

いくら便利な時代になったとしても、手仕事は大事ですよね。


こちらはメインのリビングです。中庭をはさんで向かいがお母様のLDKになっています。


お茶の先生をされているT様(奥様)はこのようにロールスクリーンをおろして、居間を待合と見立ててお稽古することもあるとのことでした。低く切り取られた庭も素敵ですね。


中庭には吉村順三さん設計の椅子が新しく加わっていました。


フォールディングもできる優れもの。商品名を調べると「たためる椅子」でした。夕暮れ時や夜にここに座って飲むお酒は格別とのことでした。折り畳みを実演して下さるT様。


この日はT様のご厚意の元、現在設計が進行中のお客様を「博多の家」にご案内する機会を頂きました。T様ご夫妻、そしてお母様がお部屋の隅々まで見せて下さったので、とても貴重な見学会となりました。

竣工したばかりの家ではなく、実際に生活している家を拝見できるのは我々スタッフにとっても貴重な勉強の機会と同時に懐かしく嬉しい時間です。


キッチンの上には大胆な花器にもられたヒメシャラの花が。T様のセンスにふれたりお話を聞くことは、実は私的にも大変勉強にもなります。


リビング北側にあるドライエリア。左隅から倒れて伸びている、細く美しい幹がヒメシャラです。


ショーティー君は元気すぎるので見学中はケージで過ごしてもらいました。ごめん。本当は君ともっと遊びたかったよ。「天使の顔をした小さな悪魔」ともたとえられるジャックラッセルテリア。きっと頭がいいんですね。身体もとっても筋肉質でほとばしるエネルギーを感じます。



そんなショーティー君を1階に残して2階へ。
T様のお茶室。表千家の名席・松風楼の写しです。床には「雲出洞中明」のお軸。床柱には桔梗でしょうか?間違っていたらごめんなさい。とても涼やかですね。T様は茶花をお茶室裏の北庭でお育てになっていて、いつも季節を感じる草花で出迎えてくれます。

お軸の意味を後で調べました。「雲出でて洞中明らかなり(くもいでてとうちゅうあきらかなり)」雲は煩悩をあらわし、悟りをひらく境地のことを唱えているとのことです。悟りは開けていませんが、設計中のプロジェクトに明るく光が差せばいいな。と思いました。

それと、落ち着いたらT様に教えて頂いた映画「日々是好日」を改めて観ようと思います。


新しいお客様をご案内するという仕事でありながら、久しぶりにT様ご夫妻、お母様にお会いでき、とても楽しく嬉しい日となりました。去るのが名残惜しかったですが、またいつかお会いできるべく、今やるべき仕事に邁進します。

T様、この度は大変貴重なお時間を誠にありがとうございました。今後ともどうぞよろしくお願い致します。



スタッフ・上野