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造園家 大北望さん

2025.12.10 プライベートアルバム

まだ落葉樹がきれいに色づいていた頃
造園家・大北望さんの圃場を訪れました。

今夏も猛暑が続き、九州で完成した庭の樹々達も何本か弱ってしまいました。それらの植え替え用の樹々の選定に立ち会わせてもらいました。

と言っても、私はただの見学者。以前から大北さんの圃場を見せて頂きたかったので、この機会にお邪魔したってわけです。

大北さんはすでに良き木を見つくろってくれていたので、どんどん決まっていきます。


ゆったりとした歩幅で圃場を進む大北さん。産地のこと、圃場での生育のこと、樹形のこと、色んなお話をして下さりながら圃場を案内してくれました。


圃場の中にはそこかしこにくせがあり、色気がある木が植わっていました。大北さんの頭の中にはそれらが全て頭にインプットされていて、あそこにあるあの木をあの庭に使おう。とかがすぐ決まるんだそうです。


たっぷり3つの圃場を案内してもらいました。黄色や紅に色付いた樹間を歩きながらの圃場散策は他では味わえない特別な紅葉狩りとなりました。


苗木を育てているプランター。こぶしで何本かを握り、おもむろに引っこ抜いた大北さん。


なんと!苗木を頂いてしまいました!!
カエデ、シラキ、アオダモの苗です。
翌週、早速、練と一緒に植えました。大事に育てます!!



大北さんの会社に戻ってからは
造園談義。と言いますか、まさに特別講義を受けた感。3時半から夜8時まで、大北さんの頭の中をのぞき見し、造園仕事を追体験をするような貴重で濃密な時間となりました。

あふれる本や図面、資料とともに九州の造園家・亀崎さんとツーショットで締めくくりました。



翌日は講義の復習も兼ねて実地1人研修してきました。

「姫路城考古園・お屋敷の庭」
2800坪ある圧巻のスケールの庭です。
緑が大きくなり、滝や姫路城西の丸が隠れ気味になっているのも時を感じていいですね。
階段状水平段落ち流れ瀧
大北さんが得意とする生野石でつくられています。


「御座候・あずきミュージアム」
あずきのこと、照葉樹林のこと、縄文のことなどなど学べます。
神遊(しぇんゆう)の滝
落葉樹の向こうに広がるのは照葉樹の庭
蘆笙柱の部屋
大北さんの構想で生まれました。
春と秋の彼岸の日に蘆笙柱の真東から陽が射します。


プランニング、石組のディテール、施主や施工者や大学関係者とのやり取りのこと等々、前日に色々伺ったので語りたいことは山ほどあるのですが止まらなくなるので、ここで多くを語るのは控えておきます。今回紹介した庭はどちらも兵庫県の姫路市にありますので、姫路に行かれた方はぜひ巡ってみて下さい。

「市中に山中を創る」大北さんの庭にどっぷり浸った2日間。建築と庭の関係を大切に自然の摂理との調和の中にあるべき暮らしを守っていきたいと改め思った2日間でした。
またの機会に別のお庭も紹介したいと思います。



スタッフ・上野